本研究は、トルコのイスタンブールにあるハギア・ソフィア大聖堂を対象に設定し、1)常時微動測定結果に基づく大聖堂全体の振動特性の分析と調査結果のデータベース化、2)弾塑性シェル要素および立体要素を用いた固有値解析、地震応答解析プログラムの開発と有限要素法による静的・動的構造解析システムの構築、3)数値解析モデルの設定、4)目地(モルタル)を含んだレンガ、石のヤング係数の同定、5)静的および弾性地震応答解析を行った。以下にその成果を示す。 1.ミナレットの固有振動数が約1Hzであることをあきらかにし、常時微動測定結果と有限要素法による固有値解析結果の比較により、目地(モルタル)を含むレンガと石のヤング係数を同定するとともに、弾性地震応答解析により崩壊最小加速度が中震に相当する20から31galの間にあることをあきらかにした。 2.固有値解析により中央のメインドームの固有振動数を約10Hzと推定した。 3.中央のメインドームの荷重が東西方向では半ドームを介してセカンダリ-ピアへ、南北方向ではダブルアーチ、ペンディンティブを介してメインピアとバットレスピアへ流れていることをあきらかにした。 4.ペンデンティブの腰積みは中央のメインドームからの推力をバランスよく2方向の大アーチやペンデンティブに伝達するために重要な役割を果していることをあきらかにした。 BC2世紀のウィトル-ウィウスけいち建築書や15世紀のアルベルティ建築論に基づきモルタルの構成材料を分析を行うとともにモルタルの強度を推定するために材料実験を行っている。
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