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1994 年度 実績報告書

桂宮家の本邸の御茶屋との比較検討を中心とした江戸時代中期の桂離宮の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06750665
研究機関湘北短期大学

研究代表者

小沢 朝江  湘北短期大学, その他部局等, 助手 (70212587)

キーワード桂宮家 / 桂離宮 / 公家住宅 / 御茶屋 / 本邸 / 数寄屋 / 別荘
研究概要

(1)家仁親王が隠居屋敷として用いた宝暦4年から11年当時、今出川屋敷には6つの御茶屋が存在し、名称は赤黄・雲雪・偕楽・雲台・作遊・待人であった。このうち、赤黄は遅くとも宝暦3年に、偕楽は遅くとも宝暦5年には存在したと考えられ、宝暦8年には6つの御茶屋すべてが揃ったと考えられる。
(2)赤黄は、内部の仏間に代々の位牌を祀る御茶屋で、桂離宮園林堂に納められていた位牌は本来赤黄にあったものと考えられる。また、宝暦7年頃には桂離宮松琴亭の囲を写した「二葉亭」を増築した。二葉亭の作庭には、桂宮家の御出入絵師である土佐常覚(光芳)が関与した。
(3)今出川屋敷の御茶屋と、桂離宮など洛外の別荘の御茶屋を比較すると、水辺に御茶屋を建てること、高所に御茶屋を作り眺めを楽しむこと、田面の眺めを楽しむこと、御茶屋内に宗教的な施設を併存すること、などの共通点が見られる。
(4)家仁親王の桂離宮への御成は、宝暦9年以降その回数が減り、かつすべて泊まり掛けの御成となり、同時に、近い鷹峰御屋敷への御成が急増する。この時期は、今出川屋敷赤黄に松琴亭の囲の写しが造られ、屋敷内の6つの御茶屋が完成した時期と一致し、今出川屋敷の6つの御茶屋は桂離宮への御成が体力的に難しくなった家仁親王が、洛中にいながら桂と同様の趣向が楽しめるよう整備したものと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 小沢 朝江: "桂宮家の今出川屋敷における御茶屋について" 日本建築学会計画系論文報告集. 第463号. 175-182 (1994)

  • [文献書誌] 小沢 朝江: "桂宮家の今出川屋敷の御茶屋と洛外の別荘との比較検討" 1994年度日本建築学会大会学術講演梗概集. 1534-1544 (1994)

  • [文献書誌] 小沢 朝江: "桂宮家における本邸・屋敷の造営とその担当大工について" 日本建築学会計画系論文報告集. 第467号. 181-187 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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