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石炭と植物質(バイオマス)を混合・高圧成形した複合燃料であるバイオコールに着目し、その燃焼特性および環境汚染物質の生成・消滅特性を実験的に解明した。実験は、まず、バイオコールの熱物性、工業および元素分析、比表面積測定、表面および断面構造観察を行った上で、バッチ式電気加熱炉を用い、燃焼特性ならびに環境汚染物質生成特性に及ぼす炭種、バイオマスの種類、炉壁温度などの影響を詳細に検討した。燃焼特性に関しては、燃焼時の質量変化とともに燃焼過程中のバイオコールの粒子構造変化から燃焼過程をモデル化した。一方環境汚染物質生成特性に関しては、NOおよびSO_2濃度の経時変化を測定した。さらに、このバイオコールに自己脱硫機能を持たせるため、脱硫剤として石灰石を混入することによって、燃焼時に生成するSO_2の防除機能を付加したバイオコールも試作し、燃焼時のSO_2の低減特性を明らかにした。
結果として、炭種ならびにバイオマス種を変化させても基本的な燃焼特性は変化せず、燃焼初期にバイオマスの燃焼と石炭中の揮発分燃焼が生じ、その後、残存固定炭素の燃焼が生じる。燃焼過程中の質量変化特性より、本実験条件下においてバイオコールは化学反応律速で燃焼が進行する。一方、バイオコール燃焼時の環境汚染物質の生成特性、とりわけNOおよびSO_2の生成特性に関しては、炭種に依存はするがバイオマスを添加してもその排出総量に変化は認められない。また、揮発分燃焼時にNOおよびSO_2とも急激に生成される。バイオマス添加の影響は、揮発分燃焼初期の粒子温度上昇により、その期間にNOおよびSO_2濃度が若干増加する。自己脱硫機能を付加したバイオコールを燃焼させたところ、揮発分燃焼期間では石灰石の焼成反応が生じる時間遅れ分脱硫性能は劣るが、その後は石灰石による脱硫反応によりSO_2濃度は減少する。
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