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1994 年度 実績報告書

外表面酸点を不活性化したゼオライト触媒による多環芳香族化合物のアルキル化反応

研究課題

研究課題/領域番号 06750811
研究機関鳥取大学

研究代表者

金 鍾鎬  鳥取大学, 工学部, 助教授 (60240751)

キーワードゼオライト / 形状選択性 / 化学蒸着法 / 外表面酸点不活性化 / 細孔入口径制御
研究概要

いろいろな方法で修飾した細孔径が大きいゼオライトHβを用いて2-イソプロピルナフタレン(2-IPN)のイソプロパノールによるアルキル化反応を流通式反応装置で行ない、高い2,6-ジイソプロピルナフタレン(2,6-DIPN)の選択性を示す形状選択的触媒の開発を試みた。外表面酸点を不活性化する方法として脱アルミニウム(DAI)およびジメトキシジメチルシラン(DMS)、テトラメトキシシラン(TMS)の二種類のシラン化剤による化学蒸着を行なった。DAIした触媒ではβ,β-選択性の向上は見られたが、2,6-DIPNの選択性は減少した。これはDAIにより外表面酸点の不活性化だけではなくアルミニウムが取れゼオライトの細孔が広くなり、細孔中の反応が起こりやすくなったためであると考えられる。DMSを蒸着した触媒ではβ,β-選択性は低下したが、β,β-DIPN中の2,6-DIPNの割合は増加した。この時、DIPNの収率は大きく減少した。これはDMSの蒸着の際、DMSがゼオライトの細孔の内部まで入り反応場を狭くし、反応が進行し難くなったことを意味する。これに対してTMSを蒸着した触媒ではDIPNの収率を維持しながらβ,β-選択性、特に2,6-DIPNの選択性が増加した。これはTMSがゼオライトHβの細孔入口付近に存在し、細孔内部は変えずに細孔入口径だけを制御するためであると予想される。以上の結果から、ここで検討した修飾方法の中でTMSによる修飾が2,6-DIPNの選択性の向上に有効であることがわかった。すなわち、2-IPNのイソプロパノールによるアルキル化反応の2,6-選択性を向上させるためには外表面酸点の不活性化と同時に細孔入口径の制御が必要であることを示唆する。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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