本研究は、プロペラの影響をナビエ-ストークス方程式の数値計算プログラムに埋め込まれた体積力を用いることにより表現することで、舵とプロペラ後流の干渉流場をシュミレートしたものである。舵形状は、スパン方向に無限長さではあったが、一般的な翼型(NACA0010)を用いシミュレーションを行った。さらにこの舵に舵角を5度と10度の二種類を与えることにより、舵角が0度の時と比較計算を行った。今回の計算は、レイノルズ数1000での層流計算であったが、同時に行った時間平均流の流場計測結果とは、翼による境界部の影響部を除き定性的、定量的に良い一致を見た。 今回開発した計算法は、本質的にナビエ-ストークス方程式の数値解法を用いるため、舵上の圧力分布、剪断応力分布を簡単に求めることができるが、計算結果を検討すると、レイノルズ数1000の層流状態においては、舵にはどの舵角の場合においても推力が働いておらず、舵は抵抗体であることがわかった。 以上の結果により、乱流モデルを導入することにより舵に働く力を定量的に評価することが可能であると思われるので、舵に付加物をとりつけた場合の推進性能評価法として期待できる。
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