1.3量体G蛋白質のβサブユニットは、そのポリペプチド内に、Trp-Aspを含む40アミノ酸残基(WD-40 Repeat)の繰り返し構造を7回有することが知られている。このWD-40 Repeatの7回繰り返し構造を有するcDNA(RWD)をイネcDNAライブラリーより単離し、その塩基配列を決定した。今回単離した産物は、ホモロジー検索より、RACK(Receptor for activated C-kinase)グループに属することが示唆された。3量体G蛋白質βサブユニットのcDNAは単離できなかったが、Kinaseに関連する産物が得られたことは、高等植物の情報伝達系を解析する上で興味深い。 2.イネG-タンパク質複合体のαサブユニットに対するcDNA(RGA1)を単離し、塩基配列を決定した。このcDNAは380アミノ酸残基からなる Open reading frame を有し、基質であるGTPの結合部位のアミノ酸配列は、高等植物のみならず高等動物も含めて高度に保存されていた。一方、レセプターと相互作用すると想定されているC末端領域は、アラビドプシスαサブユニット(GPA1)およびトマトαサブユニット(TGA1)とも異なっており、高等植物間においても相違が見られた。RGA1に対するmRNAは、根、黄色葉、緑葉に少量、蓄積しており、恒常的に発現している分子種に1つと考えられた。
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