研究概要 |
確立された方法に従ってラットに致死量の放射線を照射し、一定量の骨髄細胞を移植した。骨髄移植されたラットを飼育し、一定の期日で屠殺した。今回は特に、骨髄移植による全身の影響がかなり安定した考えられる一ヶ月以降の変化に着目し、そこに見られる変化を解析した。リンパ組織として胸腺・脾臓・骨髄・リンパ節の組織を取り、パラフィン標本から切片を作成し、その変化を詳しく観察した。また、組織から浮遊細胞を作成し造血・免疫系細胞の表面抗原に対するモノクローナル抗体(特にCD4,CD8,およびTHY-1に対する抗体や,UB12抗体すなわちanti hematopoietic cells,etc.)に蛍光色素(FITC,PE)をつけたものとを反応させ、細胞自動解析装置を用いて解析し、組織学的所見とあわせて検討した。解析結果は特に末梢リンパ組織における未熟なT細胞の出現の割合を指標とした。また、実験したラットの採血を行い、血清中の1gG量等を解析した。この際、当科学研究費で購入したマイクロ遠心器(設備備品費)が有用であった。造血・免疫系の細胞の分化・成熟を補助する因子については、他施設から譲与させたもの(胸腺因子であるFTSなど)をラットに投与する実験を行った。FTS等の影響についてはまだ不明な点が数多く残されており、続けて解析してゆく予定である。なお、これらの結果についえは1994年11月の第49回解剖学会地方会などで発表した。論文については現在投稿準備中である。
|