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1994 年度 実績報告書

ヒト肺癌培養細胞におけるMHC class ||抗原発現状態の組織型差異の原因解明

研究課題

研究課題/領域番号 06770117
研究機関筑波大学

研究代表者

矢澤 卓也  筑波大学, 基礎医学系, 助手 (50251054)

キーワードMHC class || / HLA-DR / Invariant chain / Interferon-gamma / Interferon-gamma receptor / RT-PCR / Northern blot analysis
研究概要

本研究課題について、以下のような実験を行い、得られた新知見を報告する。
1.MHC class ||抗原/インバリアント鎖遺伝子座の変異あるいは欠損の有無の検索…扁平上皮癌由来株3種、腺癌由来株3種、大細胞癌由来株4種、小細胞癌由来株4種からDNAを抽出し、作成したHLA-DRα鎖、β鎖、インバリアント鎖に特異的なプライマーを用いたPCRを行ったところ、14株すべてにおいてHLA-DRα鎖,β鎖、及びインバリアント鎖をコードするDNAの存在が確認され、またその変異は認められなかった。
2.肺癌培養細胞株におけるインターフェロン(IFN)-γによるMHC class ||抗原/インバリアント鎖の発現状態の検討…上記肺癌培養細胞株からmRNAを抽出しRT-PCRを行ったところ、IFN-γ無添加条件においても非小細胞癌由来株10種にはHLA-DR抗原の発現が見られるのに対し、小細胞癌株には全くHLA-DR抗原の発現がないことが明らかとなった。また、小細胞癌由来株のうち3種にはインバリアント鎖の発現も認められなかった。IFN-γ添加条件においても、小細胞癌由来株の1種にはHLA-DR抗原の誘導は認められなかった。ノーザン法において検討すると、IFN-γ添加条件により誘導された小細胞癌由来株のHLA-DR抗原、インバリアント鎖のmRNA量は、非小細胞癌由来株に比べて少量であることが判明した。(欧文誌投稿中)
3.IFN-γレセプターの発現状態の検索…上記肺癌培養細胞株からmRNAを抽出し、作成したIFN-γレセプターに特異的なプライマーを用いたRT-PCRを行ったところ、14株すべてにおいてIFN-γレセプターの発現が認められた。
以上より、肺癌培養細胞におけるMHC class ||抗原、インバリアント鎖の発現状態は、小細胞癌と非小細胞癌との間で、(1)MHC class ||抗原及びインバリアント鎖誘導因子無添加状態すなわち自発的なMHC class ||抗原/インバリアント鎖発現状態、(2)誘導因子添加によるMHC class ||抗原/インバリアント鎖誘導性、のいづれにおいても大きな差異が認められた。検索した全ての細胞株にIFN-γレセプターの発現が認められたことから、この差異はレセプターからMHC class ||抗原/インバリアント鎖生成に至る細胞内シグナルのレベルに起因するものであると推察された。今後は、特に小細胞癌由来株の細胞内シグナルの異常について更に検討する計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 矢澤 卓也、他: "RT-PCR法を用いた肺癌培養細胞におけるMHC class ||抗原発現の検討" 日本病理学会会誌. 83巻. 218-218 (1994)

  • [文献書誌] Takuya Yazawa et al.: "Analysis of MHC class || antigen expression in cultured lung cancer cells using RNA-PCR method" Lung Cancer.11. 41-41 (1994)

  • [文献書誌] 矢澤 卓也、他: "肺癌、乳癌細胞におけるHLA-DR抗原発現性" 日本癌病態治療研究会 班報告集. 12-13 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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