研究概要 |
ABO式血液型遺伝子の解析をおこなった、ワシントン大学Biomembrane研究所の山本文一郎博士から供与されたABO式血液型遺伝子の上流域の入ったプラスミドHG-1から様々な長さの上流域を切り出し、それらをルシフェラーゼ遺伝子の前に挿入し、レポータープラスミドの作製をした。使用したベクターはピッカジーン、ベーシックベクターである。次に血液型抗原が発現している細胞株MKN45にレポータープラスミドをエレクトロポレーション法を用いて遺伝子導入した。同時にRas sarcoma virusのプロモータを上流域に挿入したガラクトシダーゼ遺伝子の入ったプラスミドも導入した。3日間培養後、細胞融解液を加え、細胞抽出液を得た。次にルシフェラーゼアッセイ用基質を加え、発光量を測定した。またガラクトシダーゼの活性を測定した。この値は遺伝子導入効率となり、ルシフェラーゼの発光量/ガラクトシダーゼ活性の比を計算した。この値により上流域のプロモーター活性が推定され、ABO式血液型遺伝子の転写制御に関与する領域を同定した。β1,4-Galactosyltransferaseのプロモーターと同様に普遍的因子であるSplが結合する翻訳開始点の上流152塩基が重要であることが示された。そこにはその塩基配列から6個所のSpl結合部位が推定される。
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