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1994 年度 実績報告書

メタロチオネインのアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた抗癌剤耐性克服の試み

研究課題

研究課題/領域番号 06770408
研究機関関西医科大学

研究代表者

明石 夕香  関西医科大学, 医学部, 助手 (70247899)

キーワードメタロチオネインイソ蛋白質 / アンチセンスオリゴヌクレオチド / 抗癌剤感受性
研究概要

癌耐性因子として注目されているメタロチオネイン(MT)イソ蛋白質(MT-1およびMT-2)の抗癌剤曝露時の遺伝子発現制御機構につき検討した。さらにMT遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を癌細胞内に導入し、イソMT遺伝子発現の変化と細胞の抗癌剤感受性の変化を観察し、抗癌剤耐性克服あるいは抗癌剤感受性制御の可能性について考察した。
(1)PCR法などによりMT-1およびMT-2遺伝子にそれぞれ特異的なcDNA断片を増幅し、これらをプローブとして用いた(既報)。培養ラット肝癌細胞のmRNA基礎発現量はMT-1がMT-2の約20倍であった。各種の抗癌剤を培養細胞に添加して数時間後に転写率の亢進を伴った各MTmRNAの最大誘導が観察され、24時間以内に基礎発現量に復した。
(2)各MT遺伝子5'側に共通なASO(15mer)を設計し、人工的に合成した。このASOをリポフェクション法により培養ラット肝癌細胞に導入した。効率よくASOを導入された肝癌細胞ではmRNA基礎発現量が減少し、かつ抗MT抗体を用いた間接蛍光法によるMT蛋白質の反応性も減弱していた。
(3)ASOを導入した肝癌細胞では抗癌剤によるMT蛋白質の誘導が抑制され、さらに抗癌剤添加後の細胞生存率が有意に低下した。
以上の実験結果により、抗癌剤によるMTの誘導は各イソMT遺伝子の転写レベルあるいはその上流において調節されていること、ASOの細胞内導入によってMTの発現誘導を遺伝子レベルで抑制し、ASOにより肝癌細胞の抗癌剤感受性を制御し得る可能性などが示唆された。
今後は臨床応用に向けてより多くの知見を蓄積させたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Akashi: "Hepatic parenchymal changes after the intraarterial injection of Lipiodol in tumor-bearing rabbits" Investigative Radiology. 28. 128-132 (1993)

  • [文献書誌] 是枝ちづ: "ICGR15のフィンガーピ-ス法測定値と採血値との解離について-二次回帰式による相互換算表の応用-" 肝臓. 34. 564- (1993)

  • [文献書誌] T.Menzel: "Cor triatriatum sinistrum-wertigkeit des lungenvenenflusses bei der hamodynamischen beurteilung" Z.Kardiol.82. 700-707 (1993)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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