[研究実績I] 3-0-メチルグリコースの取り込みにおけるジアゾキサイドとポリミキシンBの抑制効果をラット赤血球または遊離脂肪細胞を用いて評価することを試み、その結果から以下のような結論が得られた。 (1)ジアゾキサイドは赤血球のglucose transporter(GLUT1)の機能を抑制する。 (2)ポリミキシンBの主たる効果は、インスリンによって補われるブドウ糖輸送活性の抑制であり、インスリン作用過程の抑制はかなり小さい。 (3)これらの薬剤は、ブドウ糖輸送またはインスリン作用に関連した研究を行う際の有用な手段となり得る。 [研究実績II] ラットの遊離脂肪細胞を用いてin vitroでのVO4の過酸化物(pV)のブドウ糖輸送に対する効果とその作用特性を調べ、以下の知見が得られた。 (1)pVの作用はATP依存性である。 (2)pVの作用はインスリンの作用と同様の機序で発現している。 (3)pVはGULT4の機能を直接的に活性化させているのではない。15EA11:今後、糖尿病動物に経口あるいは非経口投与をして、血糖を低下させることが確認できれば、その投与量、投与期間、副作用の出現の有無など新しい糖尿病治療のための具体的な検討を行っていく。
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