研究概要 |
1)ヒスタミンレセプター定量の実験系の確立 当初は微少血管内皮細胞(HDMEC)の膜表面のH_1レセプターを浮遊細胞の状態のままFITC-ヒスタミンを加えてセルソーターで定量する予定であった。ところが、1×10^<-5>〜1×10^<-2>Mのヒスタミン濃度でmean FCを測定すると、濃度依存性に増加し、5×10^<-3>M以上の濃度でプラトーに達したが、これではFITC-ヒスタミン濃度が高すぎ、コストが高くなることよりこの実験系を断念した。そこで細胞をホモジナイズして膜成分を超遠心により得てH_1antagonistである[^3H]mepyramineによるbinding assayを行うこととした。 予備実験として、コンフルエントの第2継代細胞(50〜75cm^2)を用いた。triprolidine 5×10^<-6>M存在下でのDPMをnon-specific binding、非存在下でのDPMをtotal bindingとして、[^3H]mepyramine濃度1〜10nMの間で7点それぞれduplicateで測定し、その差をspecific bindingとした。測定は25℃で1時間incubation後、vacuum filtrationでWhatman GF/Bに集め、液体シンチレーションカウンターで測定した。膜蛋白量は最終的に約10mg/lであった。結果は5nM以下のhigh affinity receptorとそれ以上の濃度でのlow affinity receptorの存在を示唆するものであった。 2)ステロイドのH_1レセプターへの影響 コンフルエントの第3〜5継代細胞(75〜360cm^2)を用いてbetamethasone 17-valerateを0〜10mg/lの濃度で72時間incubateの後、上記の実験を行ったが、特に高濃度でのspecific bindingが低く、この傾向は[^3H]mepyramine濃度を1〜5nMとしても同様で、Kd,Bmaxを求め、比較するには至らなかった。
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