新しい化合物(A1-6)(テトラハイドロキシピリジン誘導体)を6種類合成し、これらの甲状腺細胞へのヨード取り込み阻害効果を検討した。A1-6のIC_<50>はそれぞれ、15、8、30、40、100以上、100以上(μM)であることがわかった。 次に最も阻害効果の強いA-2の側鎖にアミノ基を付加し、このIC_<50>を検討したところ20μMであった。 Naとの拮抗作用をみるためにNa濃度、A2濃度を変化させると、Na濃度依存性にヨード取り込みが上昇し、A2はこれを濃度依存性に阻害した。Lineweaver-BurkプロットおよびDixonプロットにより、A2のKi(阻害定数)は20μMであり、A2はNaを拮抗阻害することが明かとなった。このことはA2がヨードポンプのNa結合部位に強く結合することを示している。 A2は今まで知られている阻害剤のなかで最もヨードポンプとの親和性が高いことがわかった。 次にA2のアミノ基を利用して^<125>Iで標識し、細胞表面と紫外線を用いて架橋し、これをSDSポリアクリルアミドゲルにて分離すると、分子量20万の部位に陽性の蛋白が同定できたが、非標識A2にて余り競合がかからなかった。以後の実験条件を変えて行なう必要がある。また、アフィニティーカラムを用いた方法も検討する必要がある。
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