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1994 年度 実績報告書

糖尿病でのインスリンの拍動性分泌と膵β細胞間カルシウム波の伝播異常の関連の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06770830
研究機関(財)田附興風会

研究代表者

辻 和雄  財団法人田附興風会, 医学研究所・第2研究部, 研究員 (30250070)

キーワードインスリン非依存型糖尿病 / 膵β細胞 / カルシウム / インスリン分泌 / 細胞間結合
研究概要

インスリン非依存型糖尿病におけるインスリン分泌不全の特性として、ブドウ糖刺激に対する選択的なインスリン分泌不全と、拍動性のインスリン分泌の振幅が減弱し、拍動の規則性が乱れることの2点が挙げられるが、今回、我々はこのNIDDMにおけるインスリンの拍動性分泌の障害に関して、分泌されるインスリンそのものではなく、β細胞内カルシウム濃度を、生理的なβ細胞同士の細胞間結合を損なわないβ細胞塊を用いて測定した。ブドウ糖刺激に対して、一つの細胞より周囲の細胞にカルシウム波がどのように伝播していくか、また、NIDDMにおいてはカルシウム波の伝達がどのように障害され、拍動性分泌に影響を及ぼしているかを、比較検討した。Streptozotocin(80mg/kg)を新生児期のラットに皮下注射して作製したインスリン非依存型糖尿病モデルラットと対照群の両群より、コラゲナーゼ法を用いて膵ランゲルハンス氏島を単離し、ピペッティングにより軽度の細胞分散を行なったβ細胞塊にFura-2/AMをloadし、約10分間、細胞内カルシウムの変動と、その隣接する細胞へのカルシウム変動の伝播様式を、比較検討した。その結果、ブドウ糖刺激に対して、あるβ細胞の細胞内カルシウム濃度が上昇し、それがカルシウムの波となって、gap junctionを介して周囲の細胞に伝播してゆくが、その伝播様式として同心円状にどの方向にも一様な速さで広がっていくことは少なく、ある決まった方向にのみ波が伝播する割合が多く、他の方向には広がりにくいとの結果が得られた。このことは、膵β細胞間でブドウ糖刺激に対する細胞内カルシウム応答のthresholdの差、つまりβ細胞間にheterogeneityが存在するとの報告に矛盾しないと考えられた。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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