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1994 年度 実績報告書

膵管胆道合流異常における胆道癌発生に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06771007
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

土生 秀作  兵庫医科大学, 医学部, 助手 (00258154)

キーワード膵管胆道合流異常 / ハムスター胆道発癌 / 胆道発癌モデル / ヒト膵液
研究概要

膵管胆道合流異常はヒトにおいては、胆道癌の発生が極めて高いことが知られている。本実験では生理的に共通管の著しく長いハムスターを用い、ヒト及びハムスターの膵液酵素組成を測定し、ハムスターではヒトに比しtrypsin,elastase-1,及びphospholipase A2が著しく低値であることを証明した。これに基づいて発癌剤N-nitrosobis(2-oxopropyl)amine(BOP)を投与した10週令のsyrian golden hamsterを用い、胆嚢瘻を作成しこれより生理的食塩水の注入群(第1群)とヒト膵液注入群(第2群)を作成し、胆道癌の発生が第2群でより誘発されるかについて検討を行った。発癌剤であるBOPは1週目70mg/kg/1回投与し、以後20mg/kg/1回/週、1回0.1mlずつ胆嚢瘻より投与した。10週間の観察期間後、屠殺し胆道系を病理組織学的に検討した。過形成は第1群、第2群とも、胆道内に10週間後100%に種々の程度の過形成性変化を認めた。腺腫は10週後は第1群で30%(3/10)、第2群で82%(9/11)の発生で、第2群で危険率5%で有意に高い発生を示した。癌では10週後、第1群で10%(1/10)、第2群で64%(7/11)であり危険率5%で第2群で有意に高い癌の発生を認めた。
以上のことよりヒトの膵液酵素の成分が、胆道における発癌に強い影響を与えていることが示唆された。本実験はヒトの膵胆管合流異常の発癌実験モデルとして有用で、本質的な実験モデルと考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 安藤達也,他: "膵胆管合流異常における胆道癌発癌モデルの実験的研究" 消火器癌の発生と進展. 6. 155-159 (1994)

  • [文献書誌] 豊坂昭弘,他: "「胆道疾患研究の進歩」和田恭義,編 膵管胆道合流異常における胆道癌発癌モデル-ハムスターの胆道発癌におけるヒト膵液の影響-" 自然科学社, 11-17 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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