1.準備 新生児の血管径の評価;正常新生児例に対し頚動静脈径、大腿動静脈径、臍動静脈径を超音波にて計測した。臍動静脈は生後1〜2日目ぐらいまでの新生児でしか使用はできないと判断された。頚動静脈、大腿動静脈については、8Fr以下のカテーテルが使用可能と判断された。しかしながら、体外計測では血管径にかなりのばらつきがあり、また1mm以下の血管径の差がカテーテルサイズの選択性を持つかは疑問である。よって臨床的には開創後にカテーテルを選択するのが妥当と考える。 2.実験 ウサギが1羽しか入手出来ず、頚動脈より送血カニュラ、頸静脈より脱血カニュラを挿入したV-A ECMOの実験を行った。頚動静脈を露出した後、カテーテルサイズを測定した結果8Frのトロッカー(胸腔用)が適合した。ヘパリン0.5mlにてACTを200に保った。遠心ポンプは順調に回転し、1.0L/Kg/min間で流量がでたところで心室細動となった。この時点での血圧は20mmHgで、生命維持をすることができなかった。今回の実験より、循環補助には限界が有り、このカニュラサイズでは心停止時には対応が出来ないと考えられた。また、心室細動は体温低下によるものと考えられ、熱交換器の回路への組み込みの必要性を感じた。さらに実験を重ねて完全な循環補助をめざしたいと考える。
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