上記課題の研究について以下の各段階を順に検討した。 (1)痛み刺激の方法とその効果 雄SDラットの右後肢足足背に5%ホルマリン50μlを皮下注した。 同部に腫張.発赤を認めるとともに患部を噛む、 るといった同刺激に対する典型的な行動が観察された。 (2)次にこのラットより脊髄を抽出し.腰部膨大部より切片標本を作成し.抗C-fos抗体により免疫染色を行なった。その結果.同部後角細胞の一部にC-fosの発現を確認した。しかしながら.本学解剖学教室千葉教授より、免疫染色は本来定性的はものであり、定量化には適さないとの御指摘を受ける。 (3)その為、より定量性のあるノザンハイブリダイゼーション法を行った。これは.C-fos遺伝子の発現をみるものである。ラットに上述の刺激を与えた後.脊髄の腰部膨大部を摘出、RNAを精成し、型のごとく/ザンハイブリゼーションを行った。これによりC-fos遺伝子の発現の定量が可能となった。 (4)現在ラットを各種の吸入麻酔剤に暴露し.痛み刺激によるC-fos発現に対してどのような影響がみられるか検討中である。さらにC-fosと同様な働きを持つと考えられるにrox-24遺伝子についても同様の検討を加えたいと考えている。
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