1.動物実験 (1)雑種成犬を用い、笑気・酸素・セボフルレン麻酔下で麻酔深度を変えることもしくは硬膜外麻酔により循環変動を生じさせた時の交感・副交感神経活動の変化を心拍変動の周波数解析を用いて比較した。また、硬膜外麻酔は胸部および腰部を行い、両者を比較した。 (2)雑種成犬を用い、セボフルレン麻酔下にリドカインおよびブピバカインを静脈内持続注入し、局所麻酔中毒モデルを作成し、その時の循環変動と心拍変動の周波数解析によって交感・副交感神経活動の経時的変化を検討した。 2.臨床実験 (1)定時手術患者で、手術終了時に笑気・酸素・セボフルレン麻酔下に筋弛緩薬のリバースを行い、アトロピンとネオスチグミンの比率(2:5および1:2)における循環変動と自律神経活動の比較を行った。 4.結果 (1)局所麻酔中毒モデル・・・平均血圧および心拍数は経時的に減少した。LFCはリドカイン、ブピバカインとも経時的に増加したのに対し、HFCはブピバカイン投与により増加したが、リドカインでは一定の傾向を示さなかった。(第17回日本麻酔薬理学会(1995.7)において発表予定) (2)臨床実験・・・リバースにより、一過性にLFCは増加し、その後急速に減少した。LFC/HFCはアトロピンとネオスチグミンの比が2:5のほうが1:2に比べ低値を維持し、筋弛緩のリバースは1:2のほうがより安全であることがわかった。(41回日本麻酔学会(1995.4)において発表予定)
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