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1994 年度 実績報告書

婦人科腫瘍の発生メカニズムの分子生物的解析

研究課題

研究課題/領域番号 06771306
研究機関旭川医科大学

研究代表者

柳沼 裕二  旭川医科大学, 医学部, 助手 (90250571)

キーワード癌抑制遺伝子 / p53遺伝子 / 子宮癌 / 卵巣癌 / 絨毛癌 / 点突然変異 / 細胞株
研究概要

婦人科腫瘍の発生メカニズムを解明する目的で、婦人科腫瘍細胞株(卵巣癌、子宮頚癌、子宮体癌、絨毛癌)や実際の婦人科腫瘍組織を用いて、癌抑制遺伝子p53,RbさらにCDK4inhibitorであるp16^<INK4>についての分子生物学的検討を行っている。平成6年度は特に絨毛癌細胞株についての癌抑制遺伝子p53の解析を行った。実際に用いた絨毛癌細胞株はBewo,GOH-1,GCH-2,SCH,JAR,JEG-3,NUC-1,HCCM-5の8株を用いた。各々の細胞株より抽出したgenomicDNAをHindIII,PvuII,BamHIにて消化後のSouthern blot.ではcontrolの胎盤に比べて異常は認められなかった。また各々の細胞株よりtotalRNAを抽出し発現レベルをNorthem blot.にて解析したところ。GCH-2,JAR,NUC-1細胞株においてcontrolの胎盤に比べて発現低下がみられた。さらにp53遺伝子の構造異常をDNAの塩基配列を調べることにより検討するとSCH株ではコドン249-250間にAGGつまりArg.の挿入という異常がみられ、JEG-3株ではコドン167がCAGからCATへの点突然変異が見られ、アミノ酸レベルではGlnからHisへの置換がみられた。またNUC-1株ではコドン17にGAAからGATへの、コドン24にAAAからAATへの点突然変異が見られ、各々アミノ酸ではGlnからAsp、LysからAsnへの置換が見られた。異常のように絨毛癌においても癌抑制遺伝子p53の不活性化がその発癌に関与していることを世界で初めて明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Yaginuma,et al: "Analysis of the p53 gene in human uterine carcinoma cell lines." Cancer Res.51. 6506 (1991)

  • [文献書誌] Y.Yaginuma,et al: "ras oncogene product p21 expression and prognosis og human ovarian tumors." Gynecol Oncol.46. 45 (1992)

  • [文献書誌] Y.Yaginuma,et al: "Abnormal structure and expression of the p53 gene in human ovarian carcinoma cell lines." Cancer Res.52. 4196 (1992)

  • [文献書誌] Y.Yaginuma,et al: "Ras p21 expression in human endometrial carcinoma." Int J Gynecol Obstet.42. 52-53 (1993)

  • [文献書誌] Y.Yaginuma,et al: "Immunohistochemical analysis of ras p21 oncogene product p21 in human endometrial carcinoma." Acta histochem. 95. 23-29 (1993)

  • [文献書誌] Y.Yaginuma,et al: "Analysis of the p53 gene in human choriocarcinoma cell lines." Br.J.Cancer.71. 9-12 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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