結果 頭頚部領域で使用頻度の高いCDDPに対する高度耐性株を樹立した。またヌードマウスを用いてリンパ節転移細胞を樹立した。これらの細胞を用いて以下の結果を得た。 1)biological markerに関して、耐性株で変化は認められなかった。リンパ節転移細胞では、CD44の消失が認められた。 2)腫瘍細胞から産生されるサイトカインを測定した結果、GM-CSF、FGF、EGF、TGF、PDGF-ABについては、親株、耐性細胞、転移細胞で差を認めなかった。 3)細胞培養上清中の可溶性ICAM-1については差を認めなかった。可溶性E-cadherinについては浸潤細胞で増加が認められた。 4)浸潤能に関して、耐性株で増強が認められた。 5)プロテアーゼ産生に関しては、MMP-2、MMP-3の産生は細胞間で差が認められなかった。 以上の結果は癌細胞の制癌剤耐性化およびリンパ節転移に伴う細胞特性の変化を示すものと考えられた。
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