1.ヒト眼部腫瘍組織より、凍結切片を作製し、抗癌胎児性抗原(CEA)モノクローナル抗体、抗上皮成長因子受容体(EGF-R)モノクローナル抗体、抗上皮性抗原(EA)モノクローナル抗体を用い、免疫組織学的に抗原の発現、および癌組織形態との関連性の有無を検討した。 2.今回検索を行った眼部腫瘍に、CEAはほとんど発現されていなかった。上皮性腫瘍に対してはEGF-R、EAの発現がみられた。扁平上皮癌では特にEGF-Rの発現が強くEGF-Rの検索が、上皮性腫瘍の悪性度の指標となる可能性が示唆された。 3.今回、ヒト眼部腫瘍の組織培養は達成できなかったが、既に培養中のヒト胃癌細胞株を用いた実験では、糖鎖合成阻害剤(tunicamycin、monensin)を投与しても、細胞膜表面上のCEAは、発現抑制を受けず、安定していた。細胞膜表面におけるCEAの生理的役割が示唆された。
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