研究概要 |
まずターゲットとしたActinobacillus actinomycetemcomitans(A.a.)の様々な蛋白質のアミノ酸コドンの使用頻度を遺伝子バンクより検証しそれぞれのアミノ酸の最頻用コドンを特定した.次に,既にクローニングされ塩基配列の決定された他菌種の70kDaヒートショック蛋白質のデータを基に,保存された領域を検索し,最頻用コドンのデータを考慮しA.a.の70kDaヒートショック蛋白質特異的なDNAプローブを作成した.それを用いてA.a.ゲノムを鋳型にしてPCR法を行い,予想されたサイズ(およそ400bp)に増幅されたPCR産物をクローニングし塩基配列の決定を行った.その結果大腸菌由来の70kDaヒートショック蛋白質(Dna K)とDNAで53%,アミノ酸で83%の相同性を示しA.a.由来70kDaヒートショック蛋白質遺伝子が増幅されていることが分かった.次に,得られた400bpフラグメントをプローブにしてA.a.染色体を制限酵素Hind III,Spe I,Acc Iで切断しサザンハイブリダイゼイションを行った.15.0kbp(Hind III),10.0kbp(Spe I),4.0kbp(Acc I)の位置に反応する単一のバンドを確認した.(以上の結果は,歯科基礎医学会,平成10月17,18日に発表)次に,A.a.ゲノムをSpe Iで切断し,電気泳動後10.0kbpを抽出し精製した.これを大腸菌用クローニングヴェクターに挿入し遺伝子ライブラリーを作成した.コロニーハイブリダイゼイション法により70kDaヒートショック蛋白質遺伝子を含むDNAフラグメントをクローニングした.現在,それの塩基配列を決定中である.
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