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1994 年度 実績報告書

歯槽骨の吸収における免疫機構の関与についての免疫組織的化学研究

研究課題

研究課題/領域番号 06771675
研究機関奥羽大学

研究代表者

阿部 恵美  奥羽大学, 歯学部, 助手 (00214726)

キーワード歯の移動 / 歯槽骨改築現象 / 破骨細胞 / 免疫担当細胞 / 免疫組織科学
研究概要

ラット臼歯に外力を作用させて同部の歯槽骨に破骨細胞の出現を誘導し、それと免疫担当細胞の動態との関連を検討した。10週齢Wisterラット上顎第一、第二臼歯間にゴム片を挿入し、6、24、72時間後に第一臼歯を周囲顎骨とともに採取し、PLP固定、EDTA低温脱灰を経て歯槽骨頂を含む水平凍結切片を作製した。切片にはSABAPキットを用いて、以下の抗体の局在を検出した。
1.CD4陽性リンパ球(T-helper/inducer)およびマクロファージを認識するW3/25抗体の局在は、6、24時間目では牽引側歯根膜に散在性にみられる多角形および円形細胞と歯槽骨根間中隔骨髄の血管周囲に観察された。72時間では陽性細胞はほとんど見られなかった。
2.CD8陽性リンパ球(T-cytotoxic/suppressor)を認識するRI-10B5抗体は全期間を通じて、牽引側歯根膜のごく少数の細胞に局在していた。
3.クラスII主要組織適合抗原(MHC)を認識するOX6、OX17は全期間を通じて歯槽骨骨髄および歯根膜の全体に分布していたが、特に血管周囲や圧迫側に隣接する歯根膜線維組織内で目立っていた。反応が最も強かったのは24時間目で、72時間目が最も陽性細胞が少なかった。
4.単球一マクロファージを認識するED1、ED2抗体はともに牽引側歯根膜、骨髄腔に認められ、24時間目が最も強い反応を示し、72時間目が最も弱かった。両抗体を比べた場合、ED1がはるかに多くの細胞を認識し、特に破骨細胞が陽性を示したのが特徴的であった。
以上の結果から、歯に外力を加えた場合にも歯根膜および歯槽骨では免疫反応が展開される可能性が示唆される。今後、各陽性細胞の同定を電顕的に行うとともに、破骨細胞の出現との関連をより詳細に検討する予定である。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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