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1994 年度 実績報告書

歯肉上皮細胞におけるトロンボモジュリンの機能とその意義

研究課題

研究課題/領域番号 06771733
研究機関鹿児島大学

研究代表者

松山 孝司  鹿児島大学, 歯学部, 助手 (40253900)

キーワード歯肉上皮細胞 / トロンボモジュリン / ウエスタンブロット法 / ノ-ガンブロット法 / Protein C活性化能測定法
研究概要

トロンボモジュリン(TM)は,これまで内皮細胞の膜表面に存在する糖蛋白で,機能的には,トロンビンと複合体を形成することにより,血液の流れを円滑にするため,抗凝固的に働いている。そのトロンボモジュリンが,血管を全く欠く表皮にもあることが,最近,発見されているが、表皮におけるトロンボモジュリンの機能については,いまだわかっていない。そこで,ヒト上皮細胞と内皮細胞を歯肉,臍帯からそれぞれ分離培養し,トロンボモジュリンの分子量,抗原量,活性能,遺伝子発現量を両細胞で比較検討を行なった。分子量においては,還元下70.5kDと66.5kDで内皮細胞のトロンボモジュリンより小さいバンドが観察された。これは,TM構造の糖鎖部分が少ないためと考えられる。また,歯肉上皮細胞でのTMmRNAの発現が観察され,それは,内皮細胞のそれより強いものであった。確かに内皮細胞由来のTMが歯肉上皮においても発現されていることが判明した。そこで,上皮のTMにおいても,内皮と同じ機能があるのかをprotein C活性化能測定法(鈴木ら)に基づき検討した。上皮においても,TM活性能を有しており,それは内皮に比べ50%以下であった。抗原量においては,上皮の方が内皮に比べ,多かった。
本研究の結果より,トロンボモジュリンは,歯肉上皮細胞で,確実に発現がみられ,上皮におけるprotein C活性化能もみられた。このことにより,上皮内でのトロンビンとの関わりがあることが示唆された。したがって,上皮の創傷治癒に関与している可能性もある。今後、さらなるトロンボモジュリンの機能を検討し,歯周疾患にどのように関わっているのかを解明していく予定である。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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