培養開始後約1〜2週間で1本の突起を有する細胞が数多く見いだされた。さらに20日前後にアルカリフォスファターゼ活性が上昇し、その後下降傾向を示し、それに伴いオステオカルシン産生量と基質中へのミネラルの蓄積が上昇した。一方、顕微鏡観察において4〜6週後には鳥カゴ状のコロニーの形成が観察された。さらに8〜9週迄には石灰化されたノジュール形成が確認された。この石灰化物を細断し、2.5%ギ酸中で24時間、脱灰可溶化した後、抽出された蛋白を透析、凍結乾燥した。この中に含まれるリン酸化物は陰イオン交換HPLCおよびSDS-PAGEで分析した結果、リン酸化されたフォスフォフォリンと考えられた。また培養条件下におけるこの細胞の細胞外カゼインキナーゼ活性ならびに細胞外5'ヌクレオチターゼ活性は、骨芽細胞と比較して明らかな高値を示した。細胞外での基質のリン酸化な培養後期(石灰化期)に亢進していた。現在、上記の培養系を用いて細胞外基質リン酸化と石灰化との間に因果関係がみられるか否かを検討中である。
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