供試動物として近交系マウス、H-2コンジェニックマウス、およびH-2リコンビナントマウスを用いた。供試菌はS.mutans JC-2(血清型c)をストレプトマイシン耐性として使用した。実験計画は、生後3週齢に離乳し、以後Diet2000および蒸留水にて飼育し、7日間供試菌株を経口感染させる。70日齢にて屠殺後、供試菌の再分離および歯を染色し実体顕微鏡かで齲蝕スコアを算出した。 その結果、マウス齲蝕スコアの平均値はC57BL/10 40.00±9.66(n=9)、A/J 49.10±12.44(n=10)、B10.A 45.40±1108(n=10)、B10.BR 34.70±4.32(n=10)、B10.D2 51.00±10.59(n=10)、B10.A(2R)43.88±7.02(n=8)、B10.A(3R)54.63±12.82(n=8)、B10.A(4R)61.43±14.55(n=7)、B10.A(5R)58.14±7.45(n=7)の結果となった。屠殺後の菌の再分離では10^5から10^7CFU/Mandible確認された。 H-2コンジェニックマウスの比較ではB10.BRが最も小さい値を示しそのハプロタイプはk型でありハプロタイプk型マウスが齲蝕になりにくいことが示唆された。 B10.AおよびH-2リコンビナントマウスの比較ではB10.AおよびB10.A(2R)が低い値を示し他の系統は比較的高いスコアを示した。これらマウスのH-2KからH-2D領域内ではH-2Bの関連性が高いことが示唆された。しかしながらH-2リコンビナント系の遺伝子の導入はH-2KからH-2D領域のみでない、そこでリンクされた遺伝子の検索を現在行っている。
|