今年度は、マウス、ヒトの甲状線特異的転写因子TTF1 cDNAのクローニングを行っている。 マウスの肺よりRNAを抽出し、RT-PCR法でTTF1 cDNAのクローニングを行っている。具体的には、TTF1遺伝子は甲状腺と肺に特異的に発現しているので、肺よりAGPC法でtotal RNAを抽出し逆転写酵素を用いてcDNAプールを合成した。これまで報告されていたラットのTTF1 cDNAより作成した蛋白コード領域の5'端と3'端に位置する一組のプライマーを用いてこのcDNAプールよりTTF1 cDNAをPCR法で増幅し、プラスミドベクターにクローニングし、塩基配列を決定し、TTF-1蛋白の5'端と3'端の各11と10アミノ酸を除く部分のcDNAの中間領域の塩基配列を同定した。この中間領域のアミノ酸配列ははラットと約99%一致していた。残る5'端と3'端の塩基配列については現在、RACE5'とRACE3'を用いてクローニング中である。甲状腺が低形成のマウスモデルであるhytマウスのcDNAも同様にRT-PCR法を利用して構造解析中である。 ヒトのTTF1 cDNAは、ヒト甲状腺のファージcDNAライブラリーよりマウスTTF1 cDNAをプローブとしてクローニング中で、現在、ファージクローンが得られ、プラスミドベクターにサブクローニングし、構造解析中である。
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