当初計画していたIEAの第1回および第2回国際理科教育調査の各国のデータ・テープを国際本部より入手し、各国の児童・生徒の理科問題の到達度および学校質問紙・教師質問紙・児童/生徒質問紙の結果について、新たに詳細な分析を行う予定であったが、国際本部からデータ整理およびテープ作成作業に手間取り、データ・テープを公開できるのが平成7年5月以降になるとの連絡を受けた。そのため、元データからの集計・分析作業は不可能となったので、第2回国際理科教育調査の国際データ処理センターであったドイツ・ハンブルク大学比較教育学部より1989年に提供された第一次集計結果をもとに、理科問題の到達度とそれらに影響を与える要因との関連について第二次分析を行った。各国のデータを検討した結果、理科の到達度と理科の総勉強時間の間に正の相関がみられること、またオランダのように第1回調査と第2回調査とで到達度が大きく向上した国では、理科の総勉強時間も大幅に増加したことなどが明らかとなった。 さらに、第2回調査の理科問題の結果について詳細に検討する目的で、各問題の反応率の集計表を作成し、研究資料として刊行した。また、理科カリキュラムの問題点について、全国の都道府県および政令指定都市立の教育センター等の理科担当指導主事に対して、郵送によるアンケート調査を実施し、その記述内容について現在分析中である。
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