研究概要 |
空間的・時空間的な構造をもつデータは自然科学、社会科学、工学の様々な場面であらわれるため,これらを取り扱う統計学的手法が必要とされている. 最近の計算機の発達にともないこれのような複雑なシステムに関連するデータの解析が多く試みられているようになってきている.異なる応用分野で共通する統計的な手法が使われていることも多い.しかし,必ずしも理論的に根拠のはっきりした方法がとられていない場合も少なくなかった. このような空間的・時空間的なデータを扱う際には空間的・時空間的な相互作用を考慮に入れたモデルを利用して解析する事が必要となる.試行錯誤的な方法だけでなく,統計科学的な視点から首尾一貫した方法を適用するために,空間的・時空間的な情報処理が必要となるデータの統計的解析に共通する問題についての研究を行った. 広く利用されている空間モデルのひとつである一般の格子上のガウス過程の性質についての研究し,いくつかの理論的な性質をあきらかにした.また,画像データのノイズの除去,観測値のスプライン的なスムージング,などの問題は統計モデルを利用したベイズ的スムージングとしてとらえられる.このようなベイズ的な方法・計算アルゴリズムについての研究を行った.また,多くの研究が行われている時系列解析の方法の拡張についての研究を行った.現在までに行われているこの種の問題への解析手法を改善するいくつかの有効な結果が得られた.
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