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1994 年度 実績報告書

文法学習理論に基づく蛋白質の高次構造予測システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 06780302
研究機関電気通信大学

研究代表者

小林 聡  電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50251707)

キーワードRNA構造 / 蛋白質構造 / 木文法 / 文法学習理論
研究概要

DNA、RNA、あるいは蛋白質等の生物学的データの構造予測問題を、計算機科学的な手法で解決するためにまず最も重要となるのは、それらの構造を表現するためのモデルを提案することである。本研究では、形式言語理論の枠組を援用することにより、核酸配列の構造、あるいは蛋白質の構造を表現するための形式的なモデルを提案することを第一の目的とした。
上記の生物学的配列には、しばしば水素結合などの力学的結合を通して、一次元的には比較的離れた配列上の分子が互いに干渉し合っている構造が見られ、しかも、そういった構造要素が生物学的に重要な機能を担っていると考えられる場合が多い。例えば、RNA配列では、シュードノット構造であり、アミノ酸配列(蛋白質)では、β-シート構造などがそれに相当する。本研究では、このように一次元的に見ると離れている部分配列が互いに交差しながら依存し合っている構造を、交差依存性(crossing dpendency)を持つ構造と名づけ、それらを表現するための形式文法を提案した。
提案した文法は、タグ付き木文法と呼ばれる。これは、木文法を拡張したものであり、その言語理論的な特徴が解析され、交差依存性を持つ生物学的配列を表現するのに十分な能力を持つことが示された。また、本研究では、その構文解析アルゴリズムを開発して、実際にインプリメントすることにより、本手法が、交差依存性を含むような構造要素を同定するのに有効であることが確認された。
今後は提案したタグ付き木文法を、実際の配列データから学習するアルゴリズムを開発し、その数理的評価、実験的評価を行っていく予定である。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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