研究概要 |
本研究では,状況を領域知識として利用する学習アルゴリズムについて研究を行ない,次の成果を得た. 状況を領域知識として利用する学習アルゴリズムを,実際の機械学習・機械発見に応用することを目指して,その理論的基礎を固めた.機械学習とは人間の持つ学習機能をコンピュータ上で実現することであり,機械発見とは大量の観測・実験データから,これを説明する化学的法則をコンピュータに発見させることである. 機械発見の第1段階として,論駁推論が重要であることがわかっている.従来の研究では,推論の主な対象は言語であったため,コンピュータで計算できる最も一般的な対象である計算可能関数を対象として,推論可能性を調べた.また,機械発見へ応用するためには,有限推論が保証できれば望ましいことがわかっている.実際に機械発見へ応用するために,具体的で重要なプログラミング系の推論可能性を調べることが重要である.よって,本研究では,計算可能関数を計算する具体的なプログラミング系の有限推論可能性および論駁推論可能性を調べた. (1)手続き型プログラミング言語を抽象化したプログラムについて,ループの深さおよび個数に注目してできる関数の集合の有限推論可能性および論駁推論可能性を調べた. (2)単純関数と呼ばれる関数の集合について,減算と除算に注目してできる関数の集合の有限推論可能性および論駁推論可能性を調べた. (3)従来から計算理論で展開されてきた関数の階層が,機械発見の仮説空間として適しているかを調べた.
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