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1994 年度 実績報告書

一酸化窒素合成酵素によるシナプス可塑性およびニューロン死調節機構の神経化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06780649
研究機関京都薬科大学

研究代表者

北村 佳久  京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (60195295)

キーワード神経型一酸化窒素合成酵素(nNOS) / 誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS) / 抗nNOS抗体 / 免疫組織化学 / NADPHジアホラーゼ / シナプス可塑性 / 神経細胞死 / ヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y
研究概要

ラット小脳から精製した分子量16万の一酸化窒素合成酵素(nNOS)をウサギに免疫して、抗体を作製した。得られた抗nNOS抗体は、ウェスタンブロット解析から、分子量13万のiNOSおよび分子量14万のeNOSとは交差反応を示さず、分子量16万のnNOSのみと免疫反応した。この抗体を用いて、免疫組織化学的解析をしたところ、大脳皮質、線条体および海馬の神経細胞が強く免疫染色された。この結果は、NADPHジアホラーゼ染色と一致した。同様に抗カルモジュリン(CaM)抗体を用いて解析したところ大脳皮質、線条体および海馬にもCaMが豊富に存在することが示唆された。このことから、神経細胞にCa^<2+>が流入した時のみ、nNOSは活性化され、NOを産生すること、さらに、神経細胞のシナプス可塑性にも関与することが推定された。
初代培養グリア細胞にはnNOSは存在しないが、エンドトキシン(LPS)刺激によって分子量13万の(iNOS)が誘導され、大量のNOが産生されることを見い出した。iNOSは、nNOSと異なり、Ca^<2+>非依存的にCaMと結合し活性化されることが示唆された。このためiNOSはCa^<2+>に影響されることなく、活性化され、大量のNOを産生することが示唆され、細胞死に関与することが推定された。
NOを産生するニトロプルシッド(SNP)によってヒト神経芽細胞腫SH-SY5Yは細胞死が引き起こされたが、DBu-cGMP(Gキナーゼ活性化薬)では細胞死は起きないことを見い出した。さらに、SNPによってグリセルアルデヒド-3ーリン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)のADPリボシル化が増強された。以上の結果から、NOによる神経細胞死には、Gキナーゼの活性化が関与せず、GAPDHなどのADPリボシル化が関与することが推定された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Yoshihisa Kitamura: "Suppressive effect of FK-506,a novel immunosuppressant,against MPTP-induced dopamine-depletion in the striatum of young C57BL/6N mice." Journal of Neuroimmunology. 50. 221-224 (1994)

  • [文献書誌] Yasuhiro Itano: "1-Methyl-4-phenylpyridinium(MPP^+)-induced cell death in PC12 cells:Inhibitory effects of several drugs." Neurochemistry International. 25. 419-424 (1994)

  • [文献書誌] Yoshihisa Kitamura: "Inhibition by pentamidine on N-methyl-D-asparate(NMDA)receptor/channels in the brain." Biological and Pharmaceutical Bulletin. in press. (1995)

  • [文献書誌] Yoshihisa Kitamura: "Inhibition of constitutive nitric oxide synthase in the brain by pentamidine,a calmodulin antagonist." European Journal of Pharmacology-Mol.Pharmacol.Sec.in press. (1995)

  • [文献書誌] Naoharu Iwai: "Regulation of neuronal nitric oxide synthase in rat adrenal medulla." Hypertension. in press. (1995)

  • [文献書誌] Yoshihiko Kitamura: "Nitric Oxide-Roles in Neuronal Communication and Neurotoxicity-" Japan Scientific Societies Press and CRC Press, 11 (1994)

  • [文献書誌] 北村佳久: "ニューロサイエンス講座4:神経伝達物質受容体" 廣川書店, 14 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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