当年度の研究のうち、メディア環境の整備に関しては、Macintosh、MS-Windowsという二つのOSに関して、テキスト・データベース構築のためのソフトウエアなどを揃え、鋭意整備中である。さらに、画像データベース構築には、Macintosh用のハードウエアとソフトウエアを次年度に導入するために、手順や実践例を調べ、現在検討段階にある。次年度以降は、その画像データベース構築に加え、そうしたデータベースを外部に対して公開する方途(例えば、近年話題のInternetなど)について、検討を加えてゆきたい。 地方修験の研究については、まず加賀白山修験に関して、源平の争乱期に歴史に登場した「中宮八院」が、加賀国分寺と白山修験を結ぶ宗教的意味合いを有する施設であったことを、日本山岳修験学会(吉野山金峰山寺)で研究発表した。また、石動修験と立山修験に関しても、その伝播に日本海沿岸での一般的な交流が係わっていたことについて、試論的な形で公表した(第10回日本海文化を考える富山シンポジウム)。 なお、上記のように、全く異なる二つの分野(パーソナル・コンピュータの利用と宗教文化の研究)にまたがる萌芽的研究であるため、研究論文の執筆(裏面の該当項目に相当)は、当年度中には行なっていないが、中宮八院と加賀国分寺の問題については、次年度以降に成稿の予定はある。
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