本年度の研究では次のことを実施した。 1、岡山孤児院の院児の実態分析-約3000人の入院児の実態を『入院児名簿』などより分析するためのデーター処理を実施した。分析項目は、(1)性別、(2)生年月日、(3)出身県別町村別、(4)入院期間、(5)入院理由、(6)退院理由などである。これらの分析により、岡山孤児院へ全国から入院している等の実態が理解できた。今後は、これらのデーター分析結果を詳細に検討して行くことにしたい。 2、音楽活動写真隊の活動内容の分析-『岡山孤児院新報』や各地の新聞資料(一部)を調査し、同隊の活動内容の一部をまとめ、東北・北海道社会福祉史全国研究会(8月5日、6日)で報告した。同報告では福島県内での活動をまとめたが、今後は同隊の全国各地での活動実態をまとめることにする。 3、石井十次記念館の資料整理-同館に残る資料の目録づくりを、同志社大学の「石井十次研究」グループの研究者と一緒に、8月22日から26日まで実施し、半数以上の資料目録を作成した。また、95年1月20日には同志社大学の同研究会において「東北三県凶作での岡山孤児院の収容活動とその後」というテーマで、岡山孤児院史研究の全体像や問題意識、研究の到達点などを報告した。 4、『岡山孤児院新報』の記事の目録化-本研究の研究課題別に『同新報』の記事を分類する準備作業として、約3000枚近くの新聞の記事を10種類に色分けし、データ処理の準備作業を実施している。来年度は、これをデーター処理し、各号の記事目録や研究課題別の記事目次をつくり、研究の促進に努めたい。
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