今年度は、次の3点について資料調査と整理及び分析を行い、岡山孤児院史研究の基礎を作った。 1、岡山孤児院の全収容児の統計的分析から、入院時期別の地域分布、在院期間と退院年齢を明らかにした。今後は、出身地の確定してない者やその他の項目についての分析も必要である。 2、音楽活動写真隊の活動については、明治30年から同36年までの日本各地の巡回地の、当時の新聞資料を収集したので、それを整理し欠落部分などを再調査した。また、明治37年以降の巡回地の確定とその巡回地の新聞資料の所在を調査し、音楽活動写真隊の活動に関する記事の発見を進めることにした。 3、石井記念友愛社の「石井十次記念館」の資料整理は、ほぼ終了し、資料番号を付し、資料目録を作成できるまでになった。今後は、「同記念館」の所蔵資料の保存方法や閲覧方法についても検討していきたい。また、『岡山孤児院新報』については、創設者、収容児、職員、財政、寄付者、地方委員、音楽活動写真隊などに分けて目次分類を実施した。これらの項目による分類は、今後の岡山孤児院史研究の基礎資料になるものである。特に、同院を総合的に分析する本研究にとっては、最も基礎的な資料になる。
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