• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

フランスにおける公的扶助制度

研究課題

研究課題/領域番号 06801026
研究機関広島女子大学

研究代表者

都留 民子  広島女子大学, 生活科学部, 助教授 (00236952)

キーワード貧困 / 不安定性 / 排除 / 最低限所得 / 参入・組み込み
研究概要

研究期間最終年のまとめとして、1.フランスの現代的貧困の性格,2.扶助諸制度,特に参入最低限所得(RMI)制度の実効性についての分析研究をおこなった。
1については新しい貧困が単なる所得問題にとどまるのではなく,民主主義社会における人としての定在である市民権(Citoynnete)の侵蝕であり,その解体を招くというフランス社会の危機感を明らかにできた。貧困は,今日多くのフランス人に関連する社会的排除(exclusion sociale)との広い概念で捉えられている。社会学的知見とともに,経済学,法律学領域の文献,そして研究者自身から得た知見である。
2では,1と関連して,扶助は単なる金銭給付だけではなく,貧困者を再び社会に組み込み,その定在を確かなものとする「参入手段」でもあることを明らかにした。しかし,特にこの目的を明示した参入最低限所得制度(1988年創設)においては,最低限所得の保障では,従来扶助からもとり落されていた貧困者(特に青年失業者)を捕捉できているが,参入の基本軸である雇用確保にまでは至っていないという矛盾,今後のフランスの扶助制度の課題を明らかにできた。この課題は,平成8年12月から9年1月にかけての,フランスでのパリ市福祉事務所ケースワーカー等,そして職業訓練・職業紹介等の参入援助を行なう民間福祉団体等々の活動家への聴きとり調査から得た知見である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 都留民子: "フランスの社会保障改革" 福祉のひろば. No.67. 120-126 (1996)

  • [文献書誌] 庄司洋子他編: "貧困・不平等と社会福祉 執筆分担12章社会手当と生活保障" 有斐閣(4月発行予定), (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi