平成7年度は、平成6年度に作成した予備調査としての生体肝移植に関する質問紙の改訂を予備調査の結果を踏まえておこなった。その後、本調査として改訂版の調査用紙の配布をおこなった。本調査では、調査結果の信頼性を高め、後の分析で統計処理に耐え得る回答数を確保するため、調査対象者をできるだけ多数、確保することをめざした。平成8年2月末現在の有効回答数は、対象者の職業別では医師66、看護婦322、看護学生417、その他医療関係者65、教職関係者103、宗教家67、司法関係者87、倫理学者6、一般社会人65である。調査用紙の回収は、訪問による直接調査分については回収を完了したが、郵送による調査分の回収は、本年度末まで継続する予定である。 本年度の分析においては、(1)質問紙調査の選択肢項目については、統計処理が可能な回答数を得ることができつつあるためコンピュータを用いた統計的分析をおこなっている。そのさい特に調査対象者の属性(医療関係者、宗教家、司法関係者、一般人等)による回答傾向の差に注目し、検定および多変量解析による分布をおこなっている。(2)質問紙調査の記述項目については、記述内容のデータベースへの入力の後、内容のカテゴリー分類と分析をおこなっている。この分析でも調査対象者の属性による見解の差に注目し、KJ法等をもちいた分析をおこなっている。 本研究は本年度が最終年度であるため、平成7年度12月より科学研究費補助金研究成果報告書の作成を開始し、平成8年3月現在、報告書の完成に向けて執筆中である。ただし、前述のように調査用紙の回収を3月末まで継続しているため、調査資料の完成は回収の終了後になる予定である。
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