本研究においては、韓国・朝鮮とジンバブエの 1.植民地下と独立後の教育制度のあり方の違い、 2.同じく教育目標、教育思想の変化、その主導者 3.予算配分等、国家形成における教育への期待のあり方、 等を明らかにすることによって、国際環境が新生国家の教育形成に与えた影響を明らかにし、さらにはそれを通じて解放後の韓国・朝鮮・ジンバブエの国家形成の全体像の解明を目指すことを目的とした。 そのため、日本および韓国・朝鮮、そして英国およびジンバブエにおける研究の整理を通じて、両者の植民地教育の姿について整理し、また、独立後の教育改革の歩みについて整理することに努めた。 その際には、制度の変遷について整理するとともに、そこに示された教育思想を明らかにし、そこに現れた植民地地下の社会への評価について考察することに主眼を置いた。 本1995年度は、ジンバブエの歴史・教育について、継続して明らかにし、また改めて韓国・朝鮮の教育についても、独立後の変化を追跡し、植民地下教育制度の比較研究、その類型化は比較的に進捗した。その一方、独立後の、特にジンバブエの教育改革については、まだ史料的に充分でない部分があり、今後の解明が必要とされる。
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