1.本年度は主にスペインでの研究成果を摂取することができた。これによって1898年の米西戦争敗北後にスペインのアフリカ二ズムが高揚して来ること、とくにモロッコをスペイン領土とするために様々な主張がなされて来るようになることが理解された。またモロッコの保護領化には当事者たるスペインとフランスだけでなくイギリスの意向も強く働いていることを理解できた。 2.モロッコの民族運動、とくにリフ共和国設立から崩壊の過程でのアブデル・クリムの思想を知ることが出来た。 3.スペイン内戦中のモロッコの意義について詳しく知ることが出きた。とくにモロッコ人たちが反乱派陣営に加わって行くこと、反乱派のモロッコ人への対処、スペイン内戦の戦闘に加わったモロッコ人の意識、共和国派の人々のモロッコ人への対応などである。 4.スペインおよびフランスで出されていたモロッコ関係の雑誌(アフリカ二ズムを代弁するもの。また学術研究誌)について知ることが出来た。そのうちのいくつかを入手することが出来たり、閲覧することができた。 5.諸学会(とくにスペイン史学会)で関係する報告を聞き、また自分の研究成果の一部を述べた。
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