前年度の研究で東京大学を中心にすでに収集されてきた資料に加え、国内・中国・アメリカの関連資料を調査した。パソコン1台を新たに購入し、研究補助者の協力を得て資料整理を行なった。 1995年5月6月7月10月11月12月、1996年1月と、月1回のペースで、慶應義塾大学経済学部長堀研究室で研究会を開いて、当初の研究計画に沿って、以下のような課題でレポートとディスカッションを行なった。 長堀祐造(研究代表者) 魯迅・胡風・郁達夫の日本留学および徐志摩の欧米留学体験について。 桜庭ゆみ子(研究分担者)楊蔭楡の日本・アメリカ留学および銭鍾書のヨーロッパ留学について。 また前年度まで本研究の研究代表者であった東京大学文学部の藤井省三教授には、在外研究で滞在中のアメリカ・中国から胡適に関する資料およびペ-パ-を送付してもらい、本研究への協力を得た。 以上のような共同研究にもとづいて、研究代表者の長堀は、魯迅を中心として、近代中国知識人の留学体験が彼らの人格形成や文学にいかに関与したのかという本研究のテーマに関わる論文を、96年中に執筆する予定である。
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