1.資料の収集 (1)トルコ人作家を中心として、外国人作家の作品、およびそれらの作品に対する批評、新聞記事、インタビュー等の資料を収集整理し、データベース化した。 (2)主としてベルリン、ミュンヘンの外国人協会、外国人向けの教育団体等と連絡をとり、その活動状況に関する資料を収集整理し、データベース化した。 (3)ミュンヘンの小学校における二ヵ国語教育実践に関する資料を収集した。 (4)ドイツ政府および各州外国人担当部局が発行した外国人問題に関する資料類やパンフレットを収集整理氏、データベース化した。 (5)代表的な外国人作家に対してドイツの文化状況に関する質問状を送付した結果、幾人かから回答を得た。 2.収集資料の評価 (1)外国人作家の主観的位置づけと客観的状況の乖離:外国人作家が自分の活動に対して与えている評価は、批評その他のメディアによる位置づけと一致していない。客観的には外国人文学は周辺的存在にとどまっている。 (2)外国人作家のような外国人の中でも特権的な層と数多くの外国人労働者をとりまく文化状況との間に接点が見られない。これは外国人文学の読者層を確定する必要性を提起している。 (3)外国人作家の受容はドイツの(文化的)アイデンティティーのあり方と密接に関連している。そのため、そのつどの政治状況の文脈のなかで観察する必要がある。
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