3年計画の初年度に当たる本年度の課題は、本計画の中心となるインフォーマントとのインタビューによるカレン語データの収集と供に、これを周辺から支える文献資料の調査、並びに調査結果を「教科書」の形で公表する際に必要となる、カレン語文字フォントの作成にあった。この計画のうち、フォントの作製を除けば、当初の出遅れは幾分あったものの後半に集中して実行したため、かなりの遅れを取り戻すことができた。カレン語の音韻組織に関しては相当、体系的な捉え方ができるようになったと思えるし、基礎語彙の収集もかなり進んだ。また、まだ文法体系の全体像を提示するところまでは行っていないものの、日常会話のスタイルもある程度、確立できたので、第二年目には本格的な教科書の作成に取りかかれるところまできた。 継続申請を出した時点ではまだかなり悲観的だったカレン語フォント作製だが、最近になってWindows用の欧文フォント作成ツールが偶然、入手できたので、実際のフォント開発はかなり時間がかかるものの、現在では相当の期待がもてるようになった。
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