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1995 年度 実績報告書

二言語使用者のコード・スイッチングに関する社会言語学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 06801065
研究機関東京大学

研究代表者

岡 秀夫  東京大学, 教養学部, 教授 (90091389)

キーワードコード・スイッチング / バイリンガリズム / 二言語使用者
研究概要

まず第一の成果は、世界的に一流の文献(Baker,1993,総ページ数318)を完訳したことである。現在印刷中であるが、この出版によって、日本においてまだ萌芽的なバイリンガリズム研究に貢献するところは大きいと確信している。この分野における最先端の知見を紹介することによって、学問分野として確立させ、今後の研究に方向性を与えることにつながろう。
第2に、前年度に引き続き、日本におけるコード・スイッチングの資料を収集することに努め、その語用論的な分析にたずさわった。それに加えて、カナダを訪れる機会があり、そこで生のデータを収集する機会に恵まれた。それによって、言語の切り替えという現象を狭く個人の問題に限るのではなく、社会的な仕組みとしてとらえるという視点が生まれてきた。そのようなより広い枠組みに関する考察を、論文(裏面の2番目の英文のもの)にまとめている。今後とも、このような広い枠組みで分析を行い、コードスイッチングにかかわる複雑な要因を解明したい。
第3に、文献研究に加えて学校視察(例えば横浜のDeutsche Schule)などを通して、バイリンガル教育や二言語の習得の実際を観察し、資料と情報を入手した。その中で特に、二言語の発達にかかわる知的、文化的な要因を探っていった。この問題は専門的には「しきい理論」、「共有基底言語能力」と結びついてくるが、世界的にもいまだに課題となっている。二言語の発達において、日本語との関連で転移はどこまで可能なのか、バイリンガルの体験をプラスのものとするためには認知的にどのレベルをクリヤーしておかなければならないのか、というような次の研究課題が浮かび上がってきた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 岡秀夫: "バイリンガリズムの観点からみた外国語能力" 言語・情報・テクスト(東京大学大学院総合文化研究科). 2. 145-153 (1995)

  • [文献書誌] 岡秀夫: "An Interaction of Societal and Individual Bilingualism in canada" 言語・情報・テクスト(東京大学大学院総合文化研究科). 3(印刷中). (1996)

  • [文献書誌] 広島大学英語教育研究室(編)岡秀夫(著): "『松村幹男先生退官記念 英語教育学研究』「コード・スイッチングをめぐる諸問題」" 渓水社, 576(122-133) (1995)

  • [文献書誌] 岡秀夫(訳): "バイリンガル教育と第二言語習得" 大修館書店(印刷中), (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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