平成7年7月には平成7-8年生に対し、渡航前プリテストを行った。全参加者に対し、英語標準テスト(SLEP)、総合質問紙調査(マイヤーズブリッグス性格テストを含む)を実施した。また、有志9人に対し個別英語インタビューテスト、英語感情表現能力を測定する手段として朗読テスト、さらに、その他のコミュニケーションテストを実施した。これらは、すべて、ビデオおよびカセットレコーダーにより、録画、録音した。 また、平成7年8月には帰国後調査を予定通りに実施した。 昨年、11月末に送付予定の渡航中間調査用質問紙の内容を再検討し、適応度(心理的満足度、ソーシャルスキル使用度)の測定に加え、ホストとの会話の量や内容、コミュニケーション上の問題の具体例などを尋ねる項目を付加した。この質問紙は日本語版、英語版の両方を作成し、本年も、昨年と同様に学生とその家族の両方に郵送した。すでにほぼ回収済みでデータ入力にかかっている。 帰国後の面接や、交換会で、学生たちの英語力の進展の程度、また異文化適応上の問題などを理解することができた。平成5-6年度生までの調査の分析の結果、出発前の英語力と性格傾向(外向性)が、適応の因子の一部を予測できることが明らかになった。この点についてはすでに論文にまとめて発表している。その続編として、ソーシャルスキル訓練を出発前の英語力に取り入れることを提唱した論文も今年刊行される予定である。 さらに録音したインタビューを書きおこし、その内容分析をすると同時に、発話速度、サイレントポ-ズなどのためらい現象についてコンピューターを使用し詳細に分析を進めているところである。
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