研究概要 |
神学と文学との間の現在の相互影響の端的な相として,聖書学者による文学理論の援用と,文学研究者による聖書テクストの理論的分析,の両面が見られる。本研究は,そのような相互浸透の現状について,基礎的調査研究を行った。 第一に,ラビ的思想とメトニミの関連を詩学の中に位置づけるための基礎的な研究を行った。ヤ-コブソンの詩学が言語学的枠組みとして聖書学・文学の両領域に理論的基礎を与えているとう観点から,両領域の方法論を検討した。 第二に,聖書学者バーリンらの研究を検討した。その中で,並行法に関する問題点について,神学・文学を中心とする諸領域において検討した。これらの諸領域の最近の学問的成果を検討して並行法のモデル等の修正の必要性を認識した。
|