(1)文献を検討しながらカウンセリングならびにカウンセラ-の法的責任を論じる場合の法的論理構成に関する基礎的情報を収集した。 (2)これまで収集したカウンセリング機関からの資料を検討・分析した。東京にある248機関を対象にして資料の請求をして110機関から回答を得た。これらの資料はパンフレットのような簡単なものから、カウンセリング機関の長もしくはカウンセラ-の著書が含まれており、その内容も提供されるカウンセリング・サービスの骨格だけというものからカウンセリングを受けるための詳細な手続や条件など詳しい説明を含むものまであった。分析の結果は次のようにまとめることが出来る。 *カウンセリング機関が提供する情報には、カウンセリングを受けるための手続に関しては比較的詳細なものが含まれている。 *カウンセリングの内容ならびにカウンセラ-に関しては、詳しい情報が提供されているとは言えない。 *カウンセリングの結果については明かではなく、利用者の期待に反する可能性がある。 *カウンセリングは有償のものが多いが、利用者が提供されるサービスに苦情を申し立てることについては触れられない。 *カウンセリング機関は印刷資料の中では、カウンセリングに関して十分な情報を提供しているとは言いにくい。 (3)カウンセリング機関の提供する情報と提供されるサービスが利用者が抱いている期待と食い違うと紛争が生じる可能性は高い。今回入手した資料を分析する限りでは、こうした紛争い対してカウンセリング機関は明確な認識ならびに対応を用意しているとは判断出来ないと考えられる。
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