かって朝鮮総督府の官吏であった朝鮮人が、戦後の南北朝鮮でどのような位置にあったかをコンピューターによるデータ処理をとおして確認することが本研究の目的である。平成6年度においては、1.資料の収集.2.カード等によりそのデータを整理する、3.カード・ソフトを利用してデータのコンピューターへの打ち込みを行う。という作業を行った。この結果、1と2については、およそ3000件の人物データをリスト・アップし、カードに整理することができた。3に関しては、打ち込み方法の試行錯誤を行っているところである。データ整理の段階で、韓国については、戦後の政治・経済を担った人材として登用されていった者が数多くいたことがうかがえる。また、中でも、終戦時の年令が若く、高等文官試験を通った者や、技術者は戦後の韓国で活躍しているケースが多い。北朝鮮に関しては、データの収集がさらに必要である。コンピューターにより、データを処理することによって、一層広範な、長期的な人脈の動きが明らかにされることが期待される。
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