研究概要 |
1.平成6年度に続き,ロシア,ウクライナ,中欧各国について実績産業連関表の整備を進めた.特にロシアについては,1992年SNA型式産業連関表(ロシア国家統計委員会Goskomstat試作)を検討し,再構成を試みた.そして,その結果を用いて,ロシアの生産統計,就中,鉱工業生産統計が1992年以降,大幅な下方バイアス性を有していることを明らかにした. また,ロシアの産業連関構造がその移行過程において「産業空洞化」及び「サービス経済化」という現象を示していることの内容を明瞭にするよう努めた. (論文「ロシア生産統計の下方バイアス性」,「ロシアの産業構造と経済発展」) 2.ロシアの1987年産業連関表原表(111部門)を利用して,米国の産業構造との相違と類似性を示すと共に,ロシアの国防走出構造を明らかにした. (論文“A Comparative Analysis of Russian Industrial Structure") 3.ロシア極東地域の産業連関構造を1987年産業連関表を用いて示した. (論文「ロシア極東産業連関表(1987)の構造と地域特性」). 4.ウクライナ及び中欧諸国(チェコ,スロバキア,ハンガリー,ポーラド)についても1980年代の産業連関表(チェコ,スロバキアはチェコスロバキアとして)を整備し,さらに1992年時点の産業連関構造分析を終了した.これについては近しDiscussion Poperとして公表する.
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