研究概要 |
パラ超関数のトポロジーおよびフーリエ変換論を考える事が当面の問題てあった訳だがいまだ定案を得るに至っていない。 トポロジーに対しては一応二つのアイディアが考えられる。 その一つはパラ超関数の代表元となるパラ汎関数に対し、テスト関数列に対しある意味で一様な、任意階数の導関数の一様トポロジーを考える事である。この場合の問題は、パラ汎関数からパラ超関数を定義するタイプ還元の同値関数と、汎関数レベルのトポロジーが整合性を持つかという事にある。いくつかの試案を作ったが、いずれもスェ-ド・トポロジーであり、不満が残る。 その二つ目は、シュワルツ超関数のなす位相線型空間にパラ汎関数を埋めこんで、やはり上記のようなトポロジーを考える事である。この場合はパラ汎関数のクラスを限定する事により議論が楽になるのだが、パラ超関数全体での自然なトポロジーは得られていないのでやはり不満である。 フーリエ変換論においては、急減少型のパラ汎関数が定義できて、その上でのフーリエ変換をタイプ還元の同値関係を修正すれば、それと整合的に定義できる。従って一応パラ超関数論的フーリエ変換が得られるのではあるが、変換の定義域と値域がずれてしまうので、不満は残る。 またフーリエ変換が解析学として実用できるためには、積とコンボルーションがフーリエ変換により相互転化する事実が欲しいとところだが、それも現在の試案では得られてはいない。 トポロジー,フーリエ変換論ともに、より工夫を重ねたいと考えている。
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