研究概要 |
パラ超関数とは,シュヴァルツ超関数をふくみ,シュヴァルツ超関数とパラ超関数の積がパラ超関数として自然に定義される超関数概念で,1992年に半沢によって定義された。 シュヴァルツ超関数の積が定義される超関数概念としては,コロンボによって定義されたNew Geranaralized Functionが知られているが,コロンボの理論における積概念は,古典的に期待される性質を保存しない。 例えばχとδ(χ)の積は0とならないなど,量子力学への応用は期待できない。 パラ超関数においては既知の公式はすべて保存される他δ(χ)^2-(1/χ)^2/δ^2=-(1/χ^2)/δ ^2などという公式も成り立ち,数学的に自然な世界を把握したように思える。 本研究では上記の公式なども第一論文に発表したような技巧的なものでなく,自然な一般論で成立することを確認し,パラ超関数の概念の自然さを再確認した。 ただしトポロジーやフーリエ解析に関しては多くの試案を考えたのにも関わらず,満足のいく概念には到達しえなかった。 物理理論への応用についても基礎概念の未整備により未だ検討の段階に達していない。 その結果,まとまった論考を発表できなかったのは残念である。
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